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助成対象詳細

Details

2019 国内助成 [そだてる助成]     

徳島美波地域観光開発プロジェクト

企画書・概要

Abstract of Project Proposal

本プロジェクトは徳島県の南部に位置する海部郡美波町を舞台として活動を行う。徳島県の美波町は人口流出等による人口減少が大きな問題となっている。また、少子高齢化による地域の担い手不足も深刻化してきている。そこで、本プロジェクトでは「観光」を大きなキーワードとして地域創生を行い、上記問題点の解決を図る。  美波町に新たな観光地を開発することで美波町に訪れる人を増やし、美波町の関係人口を増加させることが大きな目標である。関係人口を増やすことで美波町に興味を持つ、「美波町ファン」が生まれることで将来の美波町の担い手を作っていくことが出来る。これらの活動を行うにあたり、徳島県で地域創生の先進的な取組を数多く行っている徳島商業高校と深く連携を取りながら活動を進めていく。徳島商業だけでなく、徳島大学やその他県内の高校(特に県南部)と連携を取りながら活動を行く。実際に新たな観光地作りだけでなく、徳島商業の持つノウハウを活かすために「美波町のお土産商品開発」、「美波町のPR映像の作成」なども同時進行で行っていく。

実施したプロジェクト内容と方法

Describe the implemented project and the method used

今回の助成期間では、主に、①高校生や大学生などの若者と連携した魅力発信や施設整備、②映像制作やSNS発信等の情報運用によるPR、③食や自然を活かした地域ならではのレシピやプログラム開発、これらの活動を中心に実施した。


①高校生や大学生などの若者と連携した魅力発信や施設整備

まず、助成期間中には、キャンプサイト、ジップライン、多目的トイレ、シャワー施設、道路整備など、多くのハード整備を行った。週末や長期休暇の学生ボランティア、地域住民の協力を得て、様々な施設整備作業を実施。幅広く、多様な方々に、安心安全にお越しいただけるよう、過ごしやすく使い勝手の良い施設を目指し、ハード整備を継続的に実施。お越しいただくお客様や学生等の若者目線を反映させつつ、自然の良さを活かした整備を行った。

学生との連携においては、様々なイベントや合宿を通して、椿谷自然体験村の自然や既存プログラムを感じてもらいつつ、施設整備やプログラム開発、情報発信に関わっていただいた。合宿誘致などを通して、美波町の良さを感じてもらえるよう、まずは学生自らに体験していただく機会を多く作った。


②映像制作やSNS発信等の情報運用によるPR

新型コロナウイルスの影響もあり、学校との連携がうまく取れない部分もあったが、PRのための研修会実施や映像制作技術の習得、映像素材の撮影会など、発信に向けた下準備に取り組むことができた。学生との研修会については、県内の高校生や大学生を中心に実施。徳島県南地域をフィールドに、日帰り及び合宿形式で、計3回実施。また、県内の小学生を迎えたキャンプ体験や外国人を対象としたモデルツアー等も企画・運営。

実施日時、参加者、概要は以下の通り。

・2020年7月23日、27名 :高校生メインの研修会を実施。美波町の食材を使い、レシピを開発。開発したレシピをSNS等で発信

・2021年8月12・13日、25名:映像制作、情報発信の専門家を招き、映像制作やPR動画、SNSによる情報発信についての研修を実施。

・2022年5月28・29日、31名:県内の大学生による、映像研修を実施。ジップラインの体験映像やPR動画の素材撮影を実施。


③食や自然を活かした地域ならではのレシピやプログラム開発

若者や県外からのモニター、地域住民の意見等を踏まえながら、レシピと体験プログラムを中心に開発、実証を行った。

≪レシピ開発≫

・本格ピザ窯で焼く「アユと柚子胡椒」のピザ

・モクズガニのパスタ

・柚子ゼリー、ゆずドリンク 等

≪プログラム開発≫

・ウッドレジン製作体験

・スウェーデントーチ製作体験

・テントサウナ体験 等

上記のような取り組みを中心に、期間延長も含めて約2年半のプロジェクト実施となった。

  • 商品開発
  • PR活動
  • 若者との連携

助成期間終了時点での成果と今後期待される波及効果等

Describe the results at the end of the grant period and expected ripple effects

椿谷自然体験村は、数年前より山間部の大自然を活かした体験施設づくりに取り組んでいる。 美波町の中心地から、車で約15分程のところに位置するが、大型バスなどは入れない限界集落であり、近所には民家が数件という場所にある。

もともとは、モノ作りが大好きな住人が、趣味の延長でジップラインやキャンプ施設を作っていた。5年ほど前から徐々に興味を持ったメンバーが集まるようになり、これはビジネスに繋がるということで、地元メンバーを中心にした企業組合を設立し、法人化した。

設立以降、国の補助制度や行政からの支援、観光協会との連携等を行い、施設整備や他団体、学生等との交流などを行い、関係者を増やしていったが、今回のトヨタ財団様からのプロジェクト支援も非常に心強いものであった。


本プロジェクトの開始以降、施設のハード整備、徳島県内の高校生や大学生との魅力発信(交流)、体験プログラムの開発を中心に、今後に繋がる様々な取り組みをさせていただいた。

施設整備(多目的トイレ・シャワーの増設、炊事場等の整備、道路整備等)を行うことで、老若男女、また障碍者の方々、お子様連れの方々など、幅広い方々に安心安全にお越しいただけるようになった。また、様々な体験プログラム(木工プログラムやウッドレジン体験)も充実させることができた。


そして何より、波及効果の部分に繋がるのが、地域住民や学生、地域外の多くの方々との繋がりを持つことができ、椿谷自然体験村のファンを増やすことができたことである。

今回の活動の目的の一つに、関係人口を増やす事を挙げていた。例えば施設整備においては、週末や長期休暇の学生、地域の多くの方々に支援いただいた。これは、整備作業が進むということだけでなく、参加いただいた方々が、「自分たちもこの施設を作った一人なんだ!」という気持ちになっていただける。このようにして、たくさんの学生や住民、お客様にも参加していただくなどして、仲間作りを進めてきた。


そして、集落の外から、多くの若者が訪れるようになった今では、近所の方々に温かい気持ちで応援していただいている。「こんな山奥に人が来るわけない」。どこかでそんな意識だったのが、本プロジェクトを通じてたくさんの人が訪れて、関わって、毎週のように何かやっている。こういった取り組みを数年の間、継続して行うことで、応援してくださる方々が多くなった。ここが一番大きな波及効果であると考える。

様々な機関との繋がりができ、今後のビジネスの展開に向けても、強力な関係ができつつあり、この事業が非常に大きな一歩となった。

  • 仲間づくり
  • 施設整備
  • 県内の学生と連携

プロジェクト情報

Project

プログラム名(Program)
2019 国内助成 [そだてる助成]     
助成番号(Grant Number)
D19-L-0153
題目(Project Title)
徳島美波地域観光開発プロジェクト
代表者名(Representative)
東丸慎太郎  
代表者所属(Organization)
特定非営利活動法人TOKUSHIMA雪花菜工房 理事長
助成金額(Grant Amount)
7,000,000
リンク(Link)
活動地域(Area)

徳島県 美波町