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助成対象詳細

Details

2018 国内助成 [そだてる助成]     

ふくい郷守人プロジェクト ―都市と農村の支え合う関係づくり

企画書・概要

Abstract of Project Proposal

福井県内の里山地域では、里山の地域資源を活用した特産品の開発・製造、また、体験交流イベントの実施、農家レストラン・農家民宿の運営等により、地域活性化を行っている団体が多くあるが、取り組みが地域活性化へとつながっていないのが課題である。そんな課題を解決していくため、里山活性化団体と連携をし、里山地域と都市住民との橋渡しとなることで、里山活性化団体を中間的に支援していく。本プロジェクトでは、地域ファンとなる都市住民を【ふくい里山ファンクラブ】会員として見える化を行う。その上で、①里山活性化団体が製造する特産品、農作物をホームページにより通信販売、青空市場、直売市などでの対面販売することで買って支えてもらう【ふくい里山直送便】。②体験交流イベント・ツアーの企画・運営、体験プログラムの提供することで都市住民に里山地域に行ってもらい、地域を支えてもらう【ふくい里山ツーリズム】。③里山地域にショートステイすることで、住みながら里山暮らし体験、活性化の応援をしてもらう【ふくい里山ステイ】の3活動を行う。また、中核組織を法人化していくことで、里山ビジネス化を図り、新たな仕事づくりへとつなげる。

実施したプロジェクト内容と方法

Describe the implemented project and the method used

プロジェクト名【ふくい郷守人プロジェクト】


【活動の概要】

本プロジェクトは、以下の4つの活動を行う。なお、活動における対象は、20-30代の都市部に住む女性である。若い女性をターゲットにするのは、行動力があり、かつ、就職、結婚など人生の節目を迎える過渡期で生き方についていろいろと考える時期であり、里山地域での魅力に興味・関心を持ちやすいと考えたからである。

活動①で地域のことを知り、活動②で地域とモノを通じたつながりを持つことで、地域のことをもっと深く知る。さらに、活動③で里山地域に訪れ、里山地域の人と直接的につながることで、地域のファンとなっていく。行く・来る、買う・売るの関係でだけでなく、地域住民となったような証(会員証など)を創ったり、定期的に情報の発信や連絡を取っていく中で、地域住民の一人であると感じてもらうことで、コアな地域ファンとなってもらう。


【各活動】

活動① ふくい里山ファンクラブ

目的:ふくいの里山地域を応援してくれる都市住民の見える化と里山地域の確実な情報提供、および、里山地域と都市住民との関係づくりを行うこと。

内容:・里山地域団体への合意形成

・里山地域の魅力を発信していくための資料作成、情報発信

・スタートアップイベントの開催(オンラインでの開催)

・ファンクラブ会員の募集・登録



活動② ふくい里山直送便(里山地域を買って支える活動)

目的:里山活性化団体が開発・製造する特産品、および、農作物の販売を通じて、産品の販売ルート確立を行うこと。

内容:・さとやま特産品の広報資料作り、統一したロゴマークの作成

・ECサイトの構築、および、Web雑誌による情報発信、マルシェへの出店



活動③ ふくい里山ツーリズム(里山地域に行って支える活動)

目的:体験会、イベント、ツアーなどで里山地域を訪問し、地域住民とのつながりをつくり、親睦を深めていくこと。

内容:・体験イベントの開催、および教育旅における農村民泊の受入

・都市圏の旅行会社等への広報活動



活動④ ふくい里山ステイ(里山地域に住んで支える活動)

目的:里山地域へのショートステイを通じて、里山暮らし体験を行い、地域住民の活性化事業に参画し、里山活性化の応援をしていくこと。

内容:・空き家を活用した滞在交流施設の整備

・ショートステイ等の受入による空き家の活用

助成期間終了時点での成果と今後期待される波及効果等

Describe the results at the end of the grant period and expected ripple effects

【プロジェクトの成果】
 里山地域で地域の活性化を図る団体は、それぞれの地域の活性化や地域づくりとして活動を継続し、地域資源を活かしたイベントや特産品づくりを行ってきた。しかしながら、過疎化・高齢化により、活動メンバーの高齢化や新たなメンバーの不足による団体の体力不足となり、活動の縮小や休止を余儀なくされている状況がある。そこで、都市圏の消費者と里山地域団体との橋渡しを行うことで、都市と農村の交流機会の創出を図り、都市と農村の支え合う関係を構築、更には地域ファンとなる関係人口づくりを行い、地域活性化活動が少しでも継続し、かつ、新たなメンバーを確保できる環境を整えようと本プロジェクトを行ってきた。
 ①里山情報の発信、②特産品の販売、③里山でのイベント・ツアーの開催、④地域への滞在交流拠点の整備・およびショートステイの4つの活動の柱によりプロジェクトを推進したが、新型コロナウイルスの影響により、人と人との行き来が制限される状況となり、当初の計画したとおりの事業進捗とはならず、都市と農村とのリアルな交流を主とした活動計画の変更を余儀なくされた。しかしながら、このことが良い成果となったのではないかと感じている。それは、都市と農村のリアルな行き来ではなく、オンラインを活用し交流や情報発信による交流機会が作れたことが、今後の都市と農村の新たな交流手段の布石となったからである。都市と農村の物理的な距離を超え、オンラインで都市と農村がつながることが、新しい関係人口の創出となっていくからである。

【プロジェクトの波及効果】
 本プロジェクトを通じ、福井県内の里山地域団体の活動を行う想いを知ることができ、また、里山地域団体との協働体制を構築することができた。また、同じ想いを共有し、本プロジェクトに対して支援をしていただける新たなステークホルダーを獲得することもでき、本プロジェクトを取り巻く人のつながりを大きく作ることができたと感じている。本プロジェクトは人と人とのつながりや交流の中で深化し、目標の達成が図れると考えており、今回の助成事業でできた里山地域の地域活性化の種が、今後、福井県内で大きくなっていき、福井県全体を巻き込んだ里山地域の活性化や農村文化の継承へと発展していけたらと考えている。

プロジェクト情報

Project

プログラム名(Program)
2018 国内助成 [そだてる助成]     
助成番号(Grant Number)
D18-L-0088
題目(Project Title)
ふくい郷守人プロジェクト ―都市と農村の支え合う関係づくり
代表者名(Representative)
伊藤 弘晃  
代表者所属(Organization)
福井市自然体験交流推進協議会 事務局長
助成金額(Grant Amount)
6,000,000
リンク(Link)
活動地域(Area)

福井県