助成対象詳細
Details
企画書・概要
Abstract of Project Proposal
常総市は、人口の6%に相当する約4千人の外国籍住民が暮らしている。これまで官民連携で小中学校児童生徒の学習環境整備をしてきてたが、学習が遅れ将来に希望が見出せない子どもや若者は少なくない。企業、学校、行政とNPOが連携して就学前の保育段階からの支援と高校進学後のキャリア支援を新たに行うことで、この地域で生きて行く外国ルーツの子どもが地域で活躍できるようにする。常総市は2015年9月の関東豪雨水害後で5千世帯が床上浸水にあい、2000人も人口が減り、空き家増大が問題になっている。そこで、外国籍の転入者や住民が住宅を探したり契約する際のサポートや地域にとけこめるような支援を行う。また多様な仕事を選べ長く地域に暮らせるよう事業所と協力して仕事の種類を増やす。外国人によるコミュニティサポーターを育成登録し、当事者の視点で外国籍住民が暮らしやすい地域になるよう必要なサービスを創出し、定住化を支援する民間組織を官民連携で作り出す。これらの取り組みを通じて、地域にある潜在的な力を引き出し、安心できるコミュニティを実現し、災害からの復興の原動力とする。
実施報告書・概要
Summary of Final Report
【取り組んだ課題】
2008年のリーマンショック以降、常総市に多く暮らす外国ルーツの子どもの学習・進学支援を続ける中で義務教育の前と後の支援の必要性を感じた。
【実施内容と成果】
就学前の子への日本語指導と保護者向け支援も兼ねた多文化保育を事業化するためプロジェクトを企画した。多文化保育の担い手として地域で育った外国ルーツの若者がバイリンガル保育スタッフに従事する職場を作れば、工場以外でのキャリアを拓くルートを作ることもできる。そこで、1年目は山梨や静岡などの視察をしたり、多文化保育のニーズ調査や母親サロンを行い担い手を確保。2年目は実際に認可外保育園を開園しつつスタッフの研修に取り組んだ。また、多文化保育の実践を行うだけでなく、地域の学校関係者や事業者でキャリア円卓会議を開催し、地域全体で外国ルーツの若者のキャリア支援をする体制づくりも進めた。
その結果、長年の懸案で会ったプレスクールを認可外保育の中で実現でき、多文化保育も開園することができた。また、生活面で相談にのるピアサポーター育成も市との連携で具体化できた。
助成期間終了後は、多文化保育事業に関しては、2020年度から0-2歳児については常総市の小規模保育の認可が受けられる見込みとなっている。3−5歳は認可外として継続するが保育無償化の対象になるので利用者増が見込まれる。ピアサポーター講座は、修了した人が就学や生活の支援の担い手になり、市の各課のサービスの外国籍住民対応の改善策を考えるなど実践を深め、新たなサポーターを増やしていくことをめざす。
広報誌 JOINT
Joint