助成対象詳細
Details
企画書・概要
Abstract of Project Proposal
本事業は、教育現場でLGBTの子どもに寄り添い、多様な性について理解普及をできる教職員(=アライ先生)を育成し、教育現場で継続的に多様な性についての普及/支援基盤を整え、 LGBTの子どももありのままで大人になれる東京を目指す。
上記達成のため、本事業は以下を実施する。
①小中学校の道徳授業で活用できる多様な性の授業を体系化・公開
②「アライ先生」育成・認定のための研修実施・体系化
③アライ先生のネットワーク構築
④「アライ先生」による自校での多様な性の教育効果測定
実施報告書・概要
Summary of Final Report
【取り組んだ課題】
LGBT等性的マイノリティは国内人口の約5~8%と言われるが、高校生の9割は学齢期に多様な性について教育を受けていない。こうした現状は、LGBTへのいじめや希死念慮等深刻な事態を招いており、特に希死念虜が高まる時期は第二次性徴期と言われている。2015年、文部科学省から通知が出され、学校現場において、性的マイノリティの子どもたちに対しての支援や、教職員や子どもたちの理解向上に努める必要性が明記された。また、五輪憲章に性的指向による差別の禁止が明文化さたことで、LGBTは東京都が2020年までに取り組むべき人権課題として明確化され、国際社会からもその対応に注目が高まっている。一方で、東京都ではLGBTの理解促進のための条例等はなく、小中学校数・在学者数が日本で一番多い東京都の教育現場が、LGBTの子どもにとっても安全に過ごせる場になるか否か、今こそが正念場である。
【実施内容と成果】
本事業は、教育現場でLGBTの子どもに寄り添い、多様な性について理解普及をできる教員(=アライ先生)を育成する。東京都内の学校を、ひとりひとりの教職員が主体的に変えていくモデルを実現することで、一過性の効果でなく、教育現場で継続的に多様な性についての普及/支援基盤を整え、LGBTの子どももありのままで大人になれる地域をつくることを目的とし以下、4軸で実施した。
①小中学校の道徳授業で活用できる多様な性の授業を体系化(一部自団体費で実施)
②「アライ先生」育成のための研修実施
③「アライ先生」のネットワーク構築
④「アライ先生」による多様な性の教育効果測定(他助成金により実施)
2年間の取り組みの結果、以下の成果を得ることができた。
・当初設定したKPIを大幅に超え、アライ先生の育成と生徒への多様な性に関する情報提供に寄与できた。
・メディアで計32回報道をいただく等、広い波及が得られた。
・一部小中学校教科書へのLGBT記載決定(うち1冊はReBItがともに制作)、東京都での条例成立(ReBit代表藥師が意見聴取者として選出)、LGBTの
教育に関する本の出版(児童生徒向け1冊)等、副次的ではあるが非常に大きな成果があげられた。
今後は、以下の取り組みを実施していく。
・埼玉県上尾市、朝霞市を始め、市区町村内の全学校に配布をしたいとのご依頼を自治体からいただくことが増えているので、無料公開並びに、教員
への無料配布を継続しながら、自治体とも連携をし、より広く配布を行う。
・企業や個人からATTKの増刷のためにこれまでに400万円以上の資金提供をいただいており、今後も増刷・継続的な配布を実施する。
・小学校高学年版ATTKの調査分析および調査報告書作成をしたく、ファンディングを行う予定。