助成対象詳細
Details
企画書・概要
Abstract of Project Proposal
実施報告書・概要
Summary of Final Report
【取り組んだ課題】
資源を使い果たす一方通行の現在の暮らしを見直し、地域の人が自分ごとと捉えて資源を活用する地域社会を構築していく必要がある。ヒトゴト層が楽しく参加する循環のデザインを整えることが重要であり、本事業では家庭の台所を起点にしたコンポスト、循環野菜、スクール、食を地域の中で繋げる循環の輪を作ることを目的にしている。歩いて行ける距離で採れたての地域野菜が買え、安全な食につながる仕組みと、それを育む土を次世代に残すことができると考える。
【実施内容と成果】
具体的には、生ごみの資源循環の輪を広げるために、家庭でも簡単に取り組めるダンボールコンポスト(3ヶ月タイプ)に加え、ミニサイズの開発とシステム普及(週1回の基材回収・交換)に取り組んだ。地域のコミュニティガーデンやマーケットと連携し、生ごみから食までをつなぐ輪をつくることを目指した。
「地域単位で生ごみが美味しい野菜に変わる持続可能な社会の実現」を目指して活動を展開してきた結果、以下の成果が見られるようになった。
(1)生ごみを焼却処分せずに、資源として活用する持続的な地域社会の兆し
家庭の生ごみを資源として地域内で活かすコミュニティコンポストシステムの構築と実施による。2年間の活動でコンポスト参加世帯数が138世帯(街の約5.0%が参加)、26.3トンの生ごみ資源化、9.2トンのCO2削減を実現した。2年間で参加500世帯という目標は至らなかった。進捗は予定より遅くなっているが、着実にファンが増えており、当事業にボランティアとして参加する地域住民が現れたり、町内会単位でのアプローチがあるなど、住民が自分事として関心を持って参加する兆候が見られている。
(2)生ごみ共助サービスの可能性
コミュニティコンポストによって、生ごみをキーワードにして会員間や地域内の顔が繋がり交流が生まれている。住民がボランティアとして活動に参加することで、高齢会員の安否を心配したり、自分の住む街から出る生ごみを活かそうとする気持ちが育まれたり、子どもの教育に活かそうと行動する動きがある。
(3)他地域移転の動き
生ごみの資源循環だけでなく、福祉や健康、地域コミュニティ作り等にアプリーチできる可能性から、全国から注目を浴びて視察に応じている。なかでも関東や中部から熱心な動きがあり、認証制度として確立させて移転できるよう取り組み始めているところである。
本プロジェクトを通じ、半径2kmでの資源循環であるLFCは、持続可能な地域づくりへの手段として注目されてきた。一方で行政の動きは政策や条例に縛られ、今後、さらに発信し政策提言も具体化していく必要がある。今後はボランティアマネジメントや人材、資金に課題を残しているためファンドレイジングやブランディングに力をいれていきたい。
広報誌 JOINT
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