助成対象詳細
Details
企画書・概要
Abstract of Project Proposal
若者と陸前高田がつながり続ける場づくりを実施(つくる事業)、 陸前高田の歴史、文化、震災について若者達が知るため、現地住民や全国から陸前高田に関わる資料(文献や写真集、震災の記録など)を集め、保管し、何時でも若者が閲覧できるような環境を構築する(シェアライブラリー・のこす事業)。地域課題に取り組む「チェンジメーカー」を創出し(はなす事業)、 より多くの若者をまきこんでいく。
(若者流出の逆である若者流入をさせる)
※ チェンジメーカーとは「その時代に最も求められている価値」を提供する人です。
2014年度は更に
①地域調査情報発信事業「タカタのキオク(仮)」の開始
②ユース向け地域団体協働ボランティアプログラムの提供
③大学との連携(北陸学院大学、早稲田大学、神戸大学)
上記3つの事業を通し、若者が奥尻島で起こった震災からの歴史を学び、これから復興へ向けて陸前高田での活動や、まちづくりに活かす事である。
実施報告書・概要
Summary of Final Report
1.復興まちづくりの課題と問題意識
視察前に事前学習を行ったが、実際に伺ってみて感じたのは震災からわずか5年で復興宣言を表明した奥尻島では、人口減少、産業の衰退、防災施設や災害公営住宅の劣化など、まるで陸前高田の将来を見ているかのようだった。地方では人口減少により統合される街も増えており、20年後には陸前高田の文字が地図から消えてしまうのではないかと考える程である。当時の震災を思わせる爪痕は殆ど残っておらず、初めて訪れた人が想像する事はとても難しいと感じた。あくまでも観光という視点であれば必要ないのかもしれないが、東日本大震災のような災害の後に学びたいという要望に答えるには難しいと感じた。震災当時に復興事業へ関わっていた方は、とにかくスピードを優先したと話をお聞きしたが、少なくとも住民と話をしていないということでは無く、意見は聞くが最善と思われる決断をその都度行ってきたと自分は解釈した。それは、住民の心の復旧を優先に考えていた事が理解出来たからである。だが、防潮堤は復旧工事として行われていたにも関わらず、部分的に途切れていたり、住宅再建をしても空き住宅となっているのが現状だ。なぜそうなるのか?大きく要因として挙げられるのは「人がいない」という事に帰結する。ここは恐らく行政だけの問題ではない。「人を増やす」にはその場所に住んでいる住民の協力がなければ成り立たないと強く思った。特に若い年代の住民の姿が少ない。震災後に帰省した方はいたが、移住してきたという話は聞かなかった。人口増加への施策についても話はなかったが、増えてほしいという想いはある。行政・住民協働で「人を増やす」という取り組みを行わなければ、想いが形になる事は難しい。それほど難しい課題が自分たちにも突きつけられているのである。
2.訪問学習の実施概要
(1)9月5日
15:40 奥尻港到着 奥尻島観光協会(同行)対応
16:00 宮津弁天宮見学
16:20 稲穂岬(賽の河原公園)見学
16:50 稲穂地区盛り土・防潮堤・水門見学
17:00 宿泊先到着(チェックイン)
(2)同6日
9:10 なべつる岩見学・うにまる公園見学 奥尻島観光協会(同行)対応
10:10 松江地区防潮堤見学
10:30 津波対策水門見学
10:50 青苗小学校(ピロティー構造)見学
11:10 高台移転住居・復興住宅見学
11:40 青苗漁港人口地盤(ヴォールト構造)見学
12:10 昼食 奥尻島観光協会(同行)対応
13:10 避難路(階段・スロープ)見学
13:30 奥尻島津波館入館(時空翔)見学(入館料:1人500円)
15:00 奥尻町役場青苗支所 元奥尻町役場総務課長 竹田氏
16:50 宿泊先到着
(3)同7日
9:15 津波最高到達点見学 奥尻島観光協会(同行)対応
9:30 奥尻ワイナリー工場見学
10:30 球島山展望台
11:00 乗船手続き レンタカー積み込み
3.今後の陸前高田の復興まちづくりに対する応用について
先ず、住民のビジョンや合意形成をはかり、特に若い世代の意見を反映させる事が必要になるだろう。それはなぜか?そこに長く住んでもらう若者が必要だからである。地方創世の大きな鍵は若者が活躍出来る場がある事と、移住者の受け入れ体制を整える事。少なくとも入り口を用意すれば興味を持つ若者が少なからず現れる。更に若者を増やすには興味・関心を引く内容がその地にあるか?という点である。同じ感覚を持つ若者が集まりはじめ、地方で活動する事の充実感や納得感を得られる場所となる。東日本大震災以降、そのような流れが出来つつあるように感じられた。この流れを継続させ、その地しか出来ないモデルケースを発信し続ける事が重要とも思えた。今後、復興が進みハード面は整備されるが活用方法(ソフト面)においては若者の柔軟な発想と地域住民の思い、更には行政の柔軟な対応が混ざり合う事により、復旧から発展性のある復興へ向かえるのではないかと、今回の視察を経て若者達の重要性について考える事が出来た。少なくとも東日本大震災から20年後となる2031年まで陸前高田が存続できるかは大きな課題であり、解決する事は膨大な時間と労力が必要である。 どうか、今後とも繋がりを持ち続けていただきたいと心から思った。
(了)
プロジェクト情報
Project
プログラム名(Program)
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2013 国内助成 東日本大震災特定課題
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助成番号(Grant Number)
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D13-E-0053
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継続 (y)
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題目(Project Title)
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若興人の家 ―若者による過疎地域若者流出防止プロジェクト
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代表者名(Representative)
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佐々木 信秋
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代表者所属(Organization)
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一般社団法人SAVE TAKATA
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助成金額(Grant Amount)
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¥860,000
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リンク(Link)
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活動地域(Area)
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