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助成対象詳細

Details

2013 国内助成 東日本大震災特定課題     

中越の復興事例から学ぶ ―多様な主体による持続可能な地域コミュニティづくりと地域資源を生かした産業・交流づくり

企画書・概要

Abstract of Project Proposal

南蒲生地区では復興まちづくり基本計画を策定し、住民主体の復興まちづくりを推進しているが、中長期的な2つの課題として、①多様な主体による持続可能な地域コミュニティづくり、②地域資源を生かした持続可能な産業・交流づくりがある。①においては、現状では住民だけではこの計画を実現していくことは難しく、住民・行政・支援者の多様な主体による参画が必要になる。また、今後高齢化や少子化が進むなどにより地域の人口が減り、上記の基本計画の推進だけでなく、年中行事や集落の維持管理等を、集落住民のみで行うことが難しくなる。集落を離れた人や集落外のファンの力を借りて、南蒲生の復興まちづくりをどのように進めていくか。その地域の拠点施設をどのように活用していくかが課題となっていく。②においては復興関連予算が減少していく中で、南蒲生における地域産業の持続可能な体制をどのように構築していくか。また新たな地域資源としての企業誘致などをどのように進めていくかが課題となっていく。これらを中越の先進事例から学び、住民・行政・支援者等の復興まちづくりイメージの共有と実施に向けた連携の第1歩としてのつながりづくりの機会をしたい。

実施報告書・概要

Summary of Final Report

南蒲生地区は、東日本大震災の津波により甚大な被害を受け、多くの尊い命が奪われ、住まいや 暮らしの営み、ふるさとの風景をも失った。そうした状況の中、平成24年1月15日の町内会 の通常総会において「復興部」を創設し、それから1年間かけて話し合いを重ね、南蒲生の歴史を踏まえながら地域の魅力と課題を整理して、「杜の都の田園文化を受け継ぐ『新しい田舎』」という将来像を掲げた「南蒲生復興まちづくり基本計画」を策定した。

今回の視察研修では復興まちづくりに取り組む住民有志とともに 行政•支援者にも参加いただき、震災から10年経った中越の復興プロセスを共有することにより、住民・行政・支援者間で計画実施に向けたイメージづくりとチームビルディングの機会とするとともに、以下の4つの課題について、中越地震からの復興事例を学び、今後の復興推進にあたり参考とした。

1.地域復興計画の実現に向けた住民・行政・支援者の役割

→南蒲生地区まちづくりアクションプランの策定

2.地域における魅力の発信による交流人口の増加と地域づくり

→南蒲生ホームページの作成(http://minami-gamou.com)

3.東日本大震災の経験と教訓を後世に伝える「交流拠点施設」の在り方

→南蒲生新集会所の建設(http://minami-gamou.com/future#future-try)

4.持続可能な産業・交流のあり方

→みちさきマルシェとの協働として、採れた食材を町内の行事等で活用(南蒲生マルシェ)


また、報告書では、視察内容を今後に活かそうと視察後に開催した振り返りワークショップの内容をもとに、私たちの視察先での学びや気づきを南蒲生に活かすためのアイデアを取りまとめたものである。「人」「場」 「伝」「産」の4つの視点から、これからできること、活かしたいことを思い描き、アイディアを出し合った。なかには、すぐできること、2〜3年かかってできること、10年、 20年、30年と長いスパンで実現可能なこと、あるいは、次の世代へと想いをリレーしていかなくてはならないこともある。それらを今後の南蒲生のまちづくりにつなげていくため、中越から南蒲生への「アイデアリレー」という形で取りまとめた。これらのアイディアの実現に向けて、小さなことから行動を起こして、できることから実践していき、これからの南蒲生のまちづくりに活かしていきたい。


(了)

プロジェクト情報

Project

プログラム名(Program)
2013 国内助成 東日本大震災特定課題     
助成番号(Grant Number)
D13-E-0001
題目(Project Title)
中越の復興事例から学ぶ ―多様な主体による持続可能な地域コミュニティづくりと地域資源を生かした産業・交流づくり
代表者名(Representative)
二瓶誠治  
代表者所属(Organization)
南蒲生町内会
助成金額(Grant Amount)
1,120,000
リンク(Link)
活動地域(Area)